地方飲食店のための「外国人観光客 集客実践ガイド」

第1章:まず知るべき基本

● 訪日外国人のニーズとは?

  • 和食・地元料理を食べたい
  • 写真映えする料理や内装
  • 「日本らしさ」を感じたい(体験重視)
  • ベジタリアン・ハラールなど食文化の配慮
  • 英語で注文できる安心感

第2章:店づくり・接客の整備

(1)英語メニュー・写真付きメニュー

  • 英語+中国語・韓国語がベター。
  • アレルギーやベジ対応も記載。

(2)多言語サインの設置

  • 「トイレ」「禁煙席」「Free Wi-Fi」など。
  • 英語+中国語・韓国語がベター。

(3)簡単な英会話の習得

  • 「How many people?」「Cash only」など、接客に必要なフレーズだけでもOK。
  • iPadやスマホでの翻訳アプリも活用。

(4)キャッシュレス対応

  • 海外ではカード払いが当たり前。
  • VISA・Mastercardに加えてAlipay、WeChat Payも検討。

第3章:ネット集客の基本

(1)Googleマップを整備する

  • 営業時間、英語の店名、英語の紹介文を登録。
  • 写真は料理・店内・外観を必ず掲載。

(2)レビューサイトを活用

  • TripAdvisor、Googleレビューなどに登録し、口コミを促す。
  • 来店時に「Please leave a review」などのカードを渡す。

(3)SNS運用(特にInstagram)

  • 英語で料理や店の魅力を発信。
  • ハッシュタグ例:
    #JapaneseFood #HiddenGemJapan #YourCityNameFood

(4)多言語のホームページ・ブログを持つ

● なぜ必要?

  • Google検索や口コミから店名を調べる外国人が多いため、信頼性と情報の補足源になります。

● 最低限載せるべき内容(英語・できれば中国語や韓国語も)

  • 店の紹介(歴史・コンセプト)
  • メニュー(価格、写真付き)
  • 営業時間・定休日
  • 地図(Google Map連携)
  • 店内設備(Wi-Fi、ベジタリアン可、クレジットカード対応など)
  • よくある質問(FAQ)

● ブログの活用

  • 「地元で人気の料理10選」や「外国人に人気の体験」など、観光客向けに検索されやすい記事を書く。
  • SEO効果が高く、Google経由で発見されやすくなる

(5)「地方であること」を魅力に変える発信

● 地方は「穴場」「本物」に見える

  • 多くの外国人観光客は、“観光客で混みすぎていない、本当の日本”を探しています。
  • 「ガイドブックに載っていない」「静かで、地元の人に愛されている」といった表現は、むしろ好印象に。

● 発信で使いたい言葉(英語例)

  • "Hidden Gem in [地名]"(〇〇にある隠れた名店)
  • "Experience authentic local food"
  • "Away from the crowds, close to nature"
  • "Traditional [県名] cooking style"

● 地元ならではの「体験」や「食材」を打ち出す

  • 地元野菜、郷土料理、漁師とのつながりなどをストーリーとして伝える。
  • 例:「100年以上続く味噌仕込みの味」「地元の酒蔵とコラボしたメニュー」など。

● SNSやブログでの発信ポイント

  • 地名を英語でしっかり入れる(SEO対策)
  • 「なぜこの土地ならではなのか」を写真・動画とセットで伝える
  • 他の観光地(温泉、神社、自然など)と絡めてルート提案をすると◎

このように、「地方=不便・マイナー」ではなく、「地方=本物・発見・体験」という価値に変換して発信することで、競合の少ない独自のポジションを築くことができます。

第4章:仕掛けとイベント

● 外国人向け「和の体験」を用意

  • 寿司づくり、抹茶体験、郷土料理の説明など。
  • 写真や動画に残る体験は拡散力が強い。

● スタンプカード or クーポン

  • 英語で説明された紙のクーポンや「次回来店で10%OFF」など、わかりやすい特典を設ける。

第5章:連携のすすめ

● 地元観光協会・ホテル・ゲストハウスと連携

  • 外国人観光客が集まる宿泊施設と連携し、フライヤーや紹介を依頼。

● 外国人インフルエンサーの招致

  • 地元に住む外国人YouTuberやブロガーに試食を依頼し、発信してもらう。

チェックリスト(無料で使える)

項目 状況
英語メニュー □あり □なし
Googleマップ登録 □済 □未対応
キャッシュレス対応 □あり □なし
TripAdvisor掲載 □あり □なし
店のInstagram運用 □している □していない
多言語ホームページ・ブログ □あり □なし
写真映えするメニュー □あり □なし
宿泊施設との連携 □あり □なし

まとめ

地方でも、“見つけてもらえる”仕掛けと、“安心して入れる”準備があれば、外国人観光客の集客は十分に可能です。大事なのは「自分の店を観光資源にする」という視点です。